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タイの通訳・翻訳事情 タイ人通訳をうまく使いこなすには(2)職場の人間関係

タイの通訳・翻訳事情 タイ人通訳をうまく使いこなすには(2)職場の人間関係

タイ語通訳・翻訳を頼む際におさえておくと便利な、通訳業界事情についてです。 前回記事「タイの通訳・翻訳事情 タイ人通訳をうまく使いこなすには」で、タイ人通訳のスキルの高さと技術以外の問題点についてとりあげましたが、今回もそのほかの雇用や採用に当たっての注意点をみていきましょう。 日本企業(製造業)でタイ人・日本人通訳を使っている担当者の方に引き続き、話をきいてみました。

技術が高くて、ちゃんと下準備とかで努力もする、変なプライドもなく性格が良い、という感じで全部そろっているタイ人通訳はなかなかいないですけど、いることはいるんです。だけどそれでも問題が起きちゃうんですよ。」 それは、足の引っ張り合いなのだそうです。

 

前にあったんですけど、うちの場合は普段は組み立てラインやフロアに通訳を常駐させているんですが、2ヶ月に1回日本から幹部が来る視察や会議があるので、その時だけ通訳派遣の事務所に依頼して臨時でアルバイトの通訳を増やす日もあるんです。そうしたら、普段いる通訳が、臨時で呼んだ通訳のことを「彼女はわからない言葉を適当に言って手抜きをしている。」と指摘してきたんです。

質が低い通訳を派遣してきたのだと思い、担当を変えたりして様子を見たのだそうですが、いろいろと訊いてみると、特に、問題のある通訳をしていたわけではないことがわかったのです。

タイ人通訳翻訳者にはいろいろな人がいます。
タイ人通訳翻訳者にはいろいろな人がいます。

要するに、自分の仕事や報酬がとられる、と思ったんじゃないですか。だから妨害したりして。いつもはちゃんとしていて感じの良い人だったので、驚きました。」(同氏)

 < タイ人スタッフ同士の社内バトル >

さらにこのようなこともあるそうです。 「通訳同士で張り合うならまだわかるんですが、ひどいのは、社内の他のタイ人スタッフが通訳にいやがらせをするんです。それで辞めた子もいます。」(同氏)

普段は、タイ人スタッフと日本人上司との間の意思疎通をタイ人通訳が行うわけですが、日本人上司が上役の立場として言っていることを通訳が伝えることにより、矢面に立ってしまうようなのです。

これは嫉妬なんですよ。あいつだけ、われわれ(日本人)といつも一緒にいて、偉そうに指示をしてくるって。通訳は別に偉そうに指示しているわけじゃなくてただ通訳をしているだけなんですけどね。で、われわれが見ていないところで、おまえだけずるいと言って、いびられるようなんです。」(同氏)

嫉妬をするなどとは子供じゃないんだから、とタイ人スタッフにあきれることは簡単です。しかし、そのタイ人通訳は周囲のタイ人スタッフからすると、自分たちを雇用する強い立場の日本人のそばにいつもいて(仕事だから当たり前なのですが)、ある意味“虎の威を借りている人”のようにみえてしまうという構図があるということ、そして、“言っていることをただ伝えるだけ”で自分たちより高い給料をもらっている…と思われてしまいがちな立場であることには、私たちは配慮しなくてはいけないのです。      

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