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マレーシアでの金正男氏の暗殺事件や、ミサイル発射など、相変わらずお騒がせの国、北朝鮮ですが、東南アジア各国には北朝鮮が経営する北朝鮮レストランがあります。タイやカンボジア、ベトナムなどにあるのですが、今回はラオスの首都・ビエンチャンにある北朝鮮レストランのランチに行ってきましたので、様子をお伝えします。タイにソンクラーンなどで観光見物に行く方は、ついでに隣国ラオスに足をのばして、北朝鮮レストランを覗いてみるのも話のネタに面白いと思います。
ラオスのビエンチャンにある北朝鮮レストランはその名も「ピョンヤン・レストラン」といいます。
行き方ですが、ビエンチャンのメインストリートAve Lane Xangを、バスターミナルやタラートサオ(市場)を背にして凱旋門「パトゥーサイ」の方へ進みます。パトゥーサイが見えたらその手前を右折し、2つ目の交差点に出たら、そこがNongbone Roadという通りですので左折します。あとは道なりに1.5㎞ほど進むと右側に「KOREA PYONGYANG Restaurant」と書いてある黄色い看板がある建物があります。
廃墟?と思いきや未知なる世界が!!
ここまでは情報をたよりにたどり着いたのですが、お昼時だというのに、ハングル文字の看板が掲げられた建物は扉を閉ざしていて、建物の前には誰もいません。建物も、通りに面したガラス窓はまっくらで、まるでもう使われていない廃墟みたいです。今日は休みなのかな?と思い、しばらくそのあたりを観察していましたが、誰かがやってくる様子もないです。“はるばる来たのにこのままでは帰れない”と、ダメ元で、ドアを押してみました。すると、開くではないですか!
そして中に入ると、そこには未知の世界が広がっていました。
広々とした店内にはシャンデリア風の照明がぶら下がり、50人は座れそうな数のテーブル席が並んでいます。テーブルの皿の上には、ナプキンが折りたたんでたてられています。壁には、チマチョゴリ(朝鮮の女性の民族衣装)の女性の絵がかかっていて、柱は鏡張りになっています。テレビモニターには北朝鮮のミュージックビデオが放映されていました。驚いたことに、通りに面した窓からは表の様子が丸見えです。つまり、外から見て真っ暗にみえたのは、閉店しているからではなく、マジックミラーだったのでした。それではさきほど、表から写真を撮っていたのも従業員にはまるわかりだった、ということだったのです。誰もいないと思って、ガラスに向かって鼻くそなどほじらないでよかったです。
なぜかコスプレみたいな真っ赤なボディコンスーツを着た女性店員が3名ほどいます。どこでもよいという身振りをされたので、適当に近くのテーブルに座りました。女性店員は、発音のきれいな英語を話します。なかなか美人さんですが、どこか事務的な雰囲気です。店内の写真を撮っていると、途中でNO PHOTO!と怒られてしまったので、しかたなく持って来てくれたメニューを広げました。
料理メニューと価格
メニューはハングル文字とラオス語、英語で書かれています。料理の写真もついているので、なんとなくわかります。KOREA PYONYANG COLD NODDLE とあるのが美味しいと評判の平壌冷麺です。100g30,000キープ、200g50,000キープ、300g60,000キープです。ラオスの通貨キープは、1万キープが約137円です。200グラムの平壌冷麺が685円で食べられるという計算になります。
そのほかの料理は、
KIMCHI BIBIM SALKOOKSU (キムチビビン麺)40,000キープ
PYONYAN JAJANGNYON (ジャージャー麺)45,000キープ
KOREAN PYONGYANG BIBIMBAP (ビビンバ)50,000キープ
などです。
SEAFOOD PANCAKE WITH GREEN ONION 50,000キープ、とあるのはおそらくシーフードチヂミのことでしょうか。
石鍋ビビンバも食べたかったですが、噂の平壌冷麺を頼むことにしました。
北朝鮮美女ウェイトレスと仲良くなる方法!?
料理を待ちながらウェイトレスの女性に話しかけます。簡単な英語で話しましたが、夜には焼き肉などが食べられて、音楽のショーもあるそうです。これはこんど夜に来る機会があれば行ってみたいです。
はじめは事務的でちょっと冷たい雰囲気でしたが、たまたま知っていた北朝鮮の曲の「明けるな平壌の夜」や「星見に行こう」「口笛」などの有名な歌をハミングで歌ってきかせ、この曲名はハングルでどう書くのですか?などときくと、女性がこちらを見る目が変わってきました。なんでこの外人は北朝鮮の歌を知っているんだ?と驚いたのだと思います。あなたはどこの国の人なの?と聞かれたので、JAPANと答えると、ヘーという感じでやっと笑顔になってくれました。女性は、こちらの歌ったメロディーをきくと、「この歌でしょう?」とその曲を口ずさんでくれましたが、とんでもなく歌が上手で聞きほれてしまいました。おそらく、このウェイトレスは夜の音楽ショーでは、ボーカルをするのだと思います。
英語が話せて、接客ができて、しかも歌まで上手という彼女らは北朝鮮ではエリート層なのでしょう。鉄壁のガードを崩してちょっと打ち解けることができて、なかなか楽しかったです。
本格平壌冷麺は、ゴムのような弾力
お待ちかね、平壌冷麺(200グラム)が出てきました。
昔、料理人をしている人に聞いたことがあるのですが、冷麺はきれいでミネラル分が多い水で作るとおいしいそうで、平壌が本場で、韓国のものよりおいしいのだそうです。日本では岩手県の盛岡冷麺が有名ですが、これは北朝鮮の平壌と日本の盛岡がほぼ同じ緯度にあって気候が冷涼なので、作り始められたという話です。ハサミも一緒に出てきます。麺がとても長くて、噛み切れないほどコシが強いので、食べる分だけハサミで切って食べるのです。
麺はとてもつるつるしていて、噛むとまるでゴムのように弾力があります。コクがありながらも清涼感のあるスープとからみあって、のどごしがとても気持ちが良いです。箸休めにつまむスープの染み込んだ梨などの具も、ほんのり甘くてとてもさわやかな味わいです。
麺類というとラーメンでもパスタでも、分量が物足りないことが多いのですが、麺のコシが強いので、200グラムでも十分なボリュームでした。
店内で売られている不思議な北朝鮮グッズについて
このように大満足の料理でした。店内にお客は二組いて話しかけられましたが、中国人の観光客でした。かれらが興味津々だったのは、北朝鮮グッズです。店内にはショーケースがあって、むきだしで酒に漬けられている朝鮮人参などが売られていました。北朝鮮の歌謡曲CDでもあれば買おうと思いましたが、CDは置いていないとのことです。
そのかわり、なぜか流木の置物や、女の子の人形の携帯ストラップなどが売られていました。そうした品物に混ざって、”将軍様”金正恩第一書記の本も置いてあったのは、北朝鮮らしかったです。
写真を撮っていて怒られたときは、ヒヤっとしましたが特に拉致されることもなく、無事に帰ってこれました。
レストランを出ると急にラオスのトゥクトゥクが走る埃っぽい街並みに戻り、まるで今までいたのは竜宮城か何かだったのか?というくらい店内と外のラオスの雰囲気が違うことが不思議でした。
ラオス・ビエンチャンの北朝鮮レストラン、タイ観光のついでに行ってみてはいかがでしょうか。タイの観光ビザなどをとるタイ領事館からも近いので、ビザランなどのビザ取得のついでに食事をしてみるのもよい時間つぶしになると思います。こんどはバンコクの北朝鮮レストランも行ってみたいです。情報のある方はどうぞお寄せください。「ラオス北朝鮮レストランでランチ・北美女と交流!タイ観光とセットに」体験談でした。
店舗データ
店名 ピョンヤン・レストラン
営業時間 12:00~22:30 ランチあり
住所 ラオス・ビエンチャン Nongbone Road