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タイの内装電気工事の注意点 配置などの見た目を考えない職人

タイの内装電気工事の注意点 配置などの見た目を考えない職人

タイ・バンコクでオフィスや店舗の改装を業者に発注した際に、電気工事関連で実際に起こったトラブルや問題点について、前回記事「タイの内装電気工事の注意点 延長コードを多用するため見た目が悪い」で、おさえておいた方が良いポイントを紹介しました。今回も、電気工事関連で起きたトラブル例を検証し、内装業者に工事を頼む際の参考にしてみましょう。

  タイで電気工事は内装屋が手掛ける場合が多いのですが、さらに内装業者といっても、本当に専門的な作業スキルを必要とするエアコンの設置や壁紙の貼り付けなど(これらも強引に素人業者がやってしまうことは多々ありますが)以外は、素人に限りなく近い人が行うケースが珍しくありません

 このため、壁の中に配線を埋め込まず、見た目などはお構いなしに、延長コードなどを壁にむき出しで這わせるという処理をする業者が多く、隠ぺい配管工事は行ってくれないという傾向があります。

 バンコク内で物件を所有しているR氏から、このような体験談をお聞きしました。

部屋にプロジェクターを取り付けようと思ったんですけれど、それまで使っていたコンセントが埋まってしまうんで、新しくコンセントを別の場所に設置してもらおうと思ったんです。いつも頼んでいる工事業者が忙しい時期で職人が集まらない、と言われたんで、タイ人の知り合いに電気工事ができる人を誰か知らないか?ときいたんです。」(R氏)

すると、一人のタイ人職人を紹介されたそうです。

その人は、電気工事なら、なんでもできる、と言っていたので任せたんです。」(R氏)

 まずはプロジェクターの取り付けを行ったそうですが、そこで一つ目の問題が起きます。

プロジェクターを天井からつりさげるための支柱を取り付けたのですが、その支柱が天井にくっついているところが、長方形の台座になっているんですけれど、これの取り付け方が曲がっているんです。」(R氏)

 天井に長方形の金具を取り付けるのであれば、その長方形が部屋の壁面と平行になるように設置するのが、日本の感覚です。ところが、それが微妙に斜めになっていたのだそうです。

(プロジェクターの)支柱は向きが変えられるものだったので、映像自体は曲がらないようにはできましたけど、普通、曲がらないように取り付けますよね。」(R氏)

 ただ、これは天井であることと、実際の使用には大きな影響はなかったので、R氏は特に指摘しなかったそうです。ところが、もうひとつの作業のコンセント増設の際、R氏は驚くことになります。

 「あとはコンセントを取り付けます、とのことだったんで、そんなのはもう任せていいじゃないですか。この位置につけてね、と簡単に指示して別の仕事をしていて、できたよ、と言われて見に行ったんです。」(R氏)

 その結果がこれだったそうです。この壁の位置には電源がなかったので、他のコンセントの配線から壁の中で分岐させてこちらの新設コンセントに電線を引っ張ってきている工事なのですが、みなさんはどう思われますか?

中途半端な取り付け位置と配線処理(R氏提供)
中途半端な取り付け位置と配線処理(R氏提供)

 「ことわっておきますけど、この場所につけろ、とは指示していないですよ。なんで下に合わせないのか。あとこの高さにするならしてもいいですけれど、途中まで(電線を)壁の中を通してきたのに、なんで中途半端にここから表にだすのかなあ、と。」(R氏)

 室内の様子を見てバランスよく配置するとか、曲がっていてはおかしいと思うといったような感覚がないという問題があるのです。美的感覚の違い、といってしまえばそれまでですが、特に職人を直接使う場合は、「曲がらないようにやるに決まっている。」という「常識」が必ずしも通用しないということをふまえて工事指示をしないといけないようです。

 

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