バンコクのシーロム通りは、大きな道路を毎日大量の車とバイクタクシー、時には屋台と合体した特製トゥクトゥクが行きかっている大動脈です。私も毎朝の出勤時は、いきなり歩道に突っ込んでくるバイクをかわしながらBTSのサラデーン駅へ向かい、帰宅の際は毎晩出現する、歩道を埋め尽くす大量の屋台の間を行きの3倍の時間をかけて戻ります。
そんなシーロム通りは日曜日、歩行者天国になります。バンコクの歩行者天国って何があるの?と思ったら、屋台がでるのです。屋台なんて元から毎日歩道を埋め尽くしているわけですから、さらに屋台が増えることが許可されるというのは、シュワルツェネッガーがモビルスーツを着るような状況です。
そうしたなかで、このようなイベントが行われていました。
特設ステージが組まれており、そこでいろいろなグループが歌を歌ったり演奏したりしているのです。歌声に誘われてそちらのスペースへ歩いて行ったのですが、少し違和感を感じました。タイ語がよくわからない私ですが、「この歌は知らないけれど、歌っている人はものすごく素人だな。」と感じる歌声なのです。
近づいてステージが見えるとそれは確信に変わりました。ステージに上がっているのは中学生とか高校生くらいの若者ばかりで、ど素人なのです。
「ああ、地元の学校の発表会か。」と思ったのですが、出演者たちが歌を歌っているのに、途中で演奏が止まるのです「?」と思ってよくみると、ステージの下にいる派手な兄ちゃんがなにやら手を上げるたびに、演奏が途中で止められ、ステージから演者がおろされるのです、よく見ると、ステージの上の若者たちは胸に番号のついたバッジをつけていたので、わかりました。
これは「のど自慢大会」だったのです。
ステージの方に回って、兄ちゃんを見てみると、もちろん顔は知りませんがオーラをだしていて、多分タレントなのでしょう。
そして、兄ちゃんは演奏を止めるとステージに上がっていって、ステージの上にいた素人ボーカルに「はい。いまの歌い方はね、ここがダメだね。あと、ギターの人は、もっとこっちに出てこないと。(多分)」などと講評をしているのです。
古いですが「スター誕生」とか「ASAYAN」みたいなオーディション番組を思い出しました。
一般のタイの若者の間で人気の曲はなにか、どういう歌い方がネーティブからみても「ヘタ」なのか、そうしたことを勉強するうえでも見に行くと面白いイベントです。
いつもやっているのかはわかりませんが、私が見た時は、日曜日のシーロム通りの歩行者天国のなかで、ルンピニ公園寄りのエリアで17時頃やっていました。
カラオケで女の子に受けるステージパフォーマンスの練習を研究できるかもしれません。