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タイ人通訳がいやがる翻訳内容とは コミュニケーションを上手にとる方法

タイ人通訳がいやがる翻訳内容とは コミュニケーションを上手にとる方法

タイで通訳・翻訳を頼む際におさえておくと便利な、通訳業界事情についてです。 タイで通訳を使ったり翻訳依頼をするときにどんな部分に注意をすれば、通訳ミスなどの失敗をしないようにできたり、会議の進行を上手に行っていくことができるのでしょうか。

前回記事に引き続き、旅行ガイドや日系工場の通訳の経験がある、バンコク在住のタイ人通訳のSさん(通訳歴4年)に話を訊いてみました。通訳を頼まれるなかで、どういう点に苦労しているのでしょうか?

 「自分が言いにくいこというのは困ります。」(Sさん)

 これは、日系企業の工場の幹部がタイ人スタッフに作業効率の悪さを指摘する際に、みんながいる前で特定のスタッフを叱責するような内容の場合です。

タイ人の国民性として、人前で怒られたり間違いを指摘されるというのは大変プライドを傷つけられる行動になり、逆効果なのだそうです。それを十分わかっているタイ人通訳にそうした内容を通訳させるというのは、かれらをとても厳しい立場に追い込んでしまいます。

 「あと、説明をしないのに、前と同じように伝える、できるでしょ、と言われても困ります。」(Sさん)

 これはどういうことかといいますと、「新人タイ人スタッフに仕事の段取りを代わりに説明しておいてくれ。」というようなケースです。

たとえば日本人スタッフがその仕事内容についてレクチャーする研修時間をつくり、それを横でタイ人の新人に同時通訳して指導する、ということならわかるのですが、この場合、この日本人スタッフは、通訳だけで新人に説明することを求めているわけです。

日本人スタッフからすれば、「以前に翻訳した内容と同じことを伝えてくれればよい。」というつもりで軽く言っているわけですが、タイ人通訳としては困ってしまうのです。

 タイ人通訳の立場からすると、依頼者がなにか話してくれればそれを通訳することはできるが、代わりに教育をしなさい、と言われても困るということです。それは通訳業務以上のことを丸投げされているということなのです。

専門的な知識も含まれてくるわけですから、たとえると、われわれが全く知らないディーゼルエンジンの組み立て手順について数回聞いただけで「もう覚えただろうから、あなたの記憶している内容で他の人に説明しなさい。」と言われるようなものだと考えれば、かなり難易度が高いことを頼んでしまっているということがわかります。通訳をうまくさせる方法は?

「自分は通訳だからそれ以上のことはできない。」と言うことを責任逃れだ、と決めつけるのは簡単ですが、無理に任せた結果、間違った内容が伝わってしまったら不利益を被るのはこちらです。伝え方次第でうまくいくなら、こちらも気をつければよいのです。

 もしやってもらうにしても、あらかじめ、今回新人に通訳してもらった内容は、今後も新人が入ったときに同じ内容を伝えてもらいたいから、メモをとっておくように、と伝えるか、マニュアルを用意しておきそれを通訳して読み上げる、という形をとると工夫をするべきでしょう。

 

人を使うことの難しさ、というのは日本もタイも同じですが、国が違えば余計に気を遣わなくてはいけません。

「こうしたことはこのような言い方で頼む。」「通訳が伝えやすいような表現や方法を意識する。」といった、ちょっとした配慮でコミュニケーションや仕事がとてもやりやすくなります。

 

 

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