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エカマイ懐かしお笑いスナック「アイーン」・コロナに負けない秘訣とは

エカマイ懐かしお笑いスナック「アイーン」・コロナに負けない秘訣とは

目次

タイ・バンコクで、コロナのなか多くの店が営業規模を縮小している大逆風をものともせず、昭和の懐かしいドリフターズのギャグをテーマにしたおもしろいカラオケスナックがオープンして人気を集めていると、現地在住の日本人の間で口コミ話題が広がっています。
いったいどのような人物がどういう理由で店をオープンさせたのか、コロナ規制のなかでも人気の秘密と、日本の昭和のバカバカしいお笑いのノリが、若いタイ人ホステスたちにどう思われているのかについて、取材をしてみました。


エカマイ「アイーン」への行き方

ドリフをモチーフにした昭和の懐かしいお笑いの店。
なんとその名も「アイーン」だといいます。

「アイーン」はスクンビット61通りに入ってすぐのところにあります。BTSエカマイ駅からは、スクンビット通りをサイアム側に少し戻ると、1Fにケンタッキーやマクドナルドなどが入っているシネマコンプレックスという大きな建物があります。そこと、ファミリーマートの間の道がスクンビット61通りです。30mほど進むと、左側に、志村けんのバカ殿様の写真が入った「アイーン」という店の看板があります。タイでバカ殿様を見るとは思いませんでした。強烈なインパクトです。

ここはホテルになっていて1Fの入り口には居酒屋「一番」があり、その奥がカラオケスナック「アイーン」になっています。以前は「ニュー夢」というカラオケ店だったところです。店の前の路上は19時以降は片側駐車をしてよいことになっているので、スクンビット61のどこでも車を停めることができます。また、店の正面にあるメジャーコンプレックスの駐車場は24時間格安で利用が可能です。

「アイーン」の店の中は、正面にカウンター席があり、一人でも気軽に飲めるようになっています。もしソファ席でゆっくりしたいなら、ソファが並ぶフロアで飲むこともできます。
ほか、VIPルームが2部屋あるという中型店の広さの作りです。その日は、カウンター席に一人、フロアとVIPルームに一組ずつのグループ客が来ていて、コロナ規制で静かな最近のバンコクでは珍しい、なかなかの賑わいでした。

噂の「アイーン」をする女の子

カウンター席にいたお客さんは、スクンビット61の奥のコンドミニアムに住んでいるとのこと。「この辺は、夜に飲んだり食事する店があまりないから、ここに前から来ているんです。」とのこと。
メニューには簡単な軽食メニューがあるとのことで、夜食を食べるスポットとして便利なようです。

黒髪で清楚な雰囲気の女の子が「サワディーカー」と言ってカウンターにやってきました。
カラオケではなくスナックなので、マンツーマンで女の子がずっと横についているわけではなく、ときどき時間をみつけて入れ代わり立ち代わり女の子が話をしにやってくるのです。
(希望すれば指定した娘と一緒に飲むこともできる。)

トイレの中でもアイーン”自主練”する女の子。

すると、そのお客さんが「おう、この前の覚えてる?」といきなり女の子に聞きます。
女の子は「カー」と返事して、カウンターの後ろへ少し下がったかと思うと、片腕をあごの前で横にして、「あいーん」と叫んだのです。
一瞬なにがおきたのかがわからない、静寂のなか、ワンテンポ遅れてお客さんがドッと笑います。
そして、お客さんは「ちがう、ちがう。もっとアゴを前に出して、こうやって“アイーン”」と女の子の前で同じようなしぐさをします。それをみて、ああ、志村けんの定番ギャグの「アイーン」か、とわかりました。
まさか日本から遠く離れたタイのバンコクで、日本の喜劇王志村けんのギャグとは。


驚いている取材班を気にせず、お客さんは女の子に「だめだ、コリャ!」と叫びます。女の子がそれをマネして「ダメダ、コニャ?」と変なイントネーションで繰りかえします。それをお客さんがまた、「だめだ、こりゃ。」と、いかりや長介の正しい発音を教えて、女の子がリピートする、という日本語教室みたいな光景が繰り広げられていました。

どうやら、お客さんが、ドリフなどの日本の懐かしのギャグを女の子に教え込んで楽しむ、という“育成型”の飲み屋のようなのでした。


なぜドリフのギャグをタイで?仕掛け人はあの“アゲハ”だった

「アイーン」のオーナー氏に話を聞くことができました。
なんと、「アイーン」のオーナー氏は、あのタニヤのカラオケクラブ・「アゲハ」グループのオーナーです。
女の子の数がナンバーワンということで観光客に大人気のタニヤの「アゲハ」ですが、なぜこのコロナの時期に新店をオープンさせたのでしょうか。オーナー氏は「時代の流れと、逆のことをやることが好きなものですから…」と謙遜して語ります。
コロナの横行の中で、日本でもタイでも、夜の繁華街の店の多くが閉店したり事業を縮小しているのが最近の流れではあります。こうした逆風の中で新店をオープンさせるというのは無謀な試みのように見えます。
「でも、こういう状況だから、みんな行くところがなくて困っているということに気づいたんです。」

バンコクに駐在している日系企業の駐在員が多く住むスクンビットエリアでも、飲食店やカラオケ店、マッサージ店は閉店する店が多くなっています。
観光客と違って、バンコクに長期住んでいる駐在員は余計に、変化がないバンコクに飽きが来ているはずです。しかも、再入国制限があるので日本へ一時帰国したり、周辺国へ遊びに行くこともできず、まるでかごの中の鳥のような状況です。

とくにアソーク・プロンポンとは違って、エカマイはだいぶ落ち着いた雰囲気のエリアです。カラオケだけでなく、日本食店や居酒屋もほとんどないので、そうしたエリアの人たちに、日本の昭和の黄金期に人気を博した「ドリフ」のように懐かしくておもしろい話題で盛り上がれる場を作りたい、という思いでこの店のオープンを考え付いたのだそうです。「女体盛り」などで一世風靡をしたタニヤ通りのアゲハグループらしい、着目点のおもしろさと、エンタメ志向に徹した真面目さが、オープン間もないのに話題を呼んでいるこの店の秘訣のようです。
ホステス目当てだけではなく、こうしたビジネスの深い話をオーナーと話しにくるというお客さんが多いというのにもうなずけます。


女の子の努力も見事!

いつしか深夜となり、大勢いたお客さんもいつしか帰宅していき、店は営業が終了する時間となりました。
すると奥の部屋から「アイーン」「アイーン」と女の子の声が聞こえてきます。まだ、残っているお客さんの席があったのかと思って覗いてみると、なんと、リーダ役の女の子の掛け声に合わせて、新人の女の子たちが「アイーン」の練習をしているのです。「アイーン」だけではなく「だっふんだ」「ちょっとだけよ。」などの往年のドリフのギャグをタイ人の可愛い女の子たちが練習をしているのです。最初はシュールさに思わず笑ってしまいましたが、新人の娘たちの一所懸命さをみていると、応援してあげたい気分になってきました。
女の子たちがなにやら紙をのぞき込んで「だふううんだ?」などと片言のギャグを言っているので見てみると、なんとタイ語で書かれたドリフのギャグの教科書が!
ここまでやるか!と感動さえ覚えてしまいました。スクンビット61・エカマイに誕生したカラオケスナックの「アイーン」にいる、このけなげなタイ人の女の子たちは、きっと「ポスト・コロナ」新時代のタイと日本の新しい架け橋になることでしょう。
近くに行く際は、ぜひ「アイーン」に立ち寄り、彼女らが育っていくのを温かく見守っていいきたいと思います。 

▼ 「バカ殿」コスチュームも借りることができます。

 


カラオケ・スナキャバ「アイーン」

場所:スクンビット61入ってすぐ(エカマイ・ファミリーマートのソイ)
営業時間:19:00~翌1:00

駐車場:19時以降スクンビット61片側は駐車可能
予算:セット800バーツ~ 「バンコククラブ見た」で割引あり

公式サイト https://aiiiiiin.com/

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