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日本人だとノービザで30日間タイに滞在することができます。滞在期間が物足りない場合は観光ビザをとることになります。タイの観光ビザは、タイ以外の国外で取得します。日本でも取れますが、タイ人の保証人が必要になるなど手続きが面倒なため、あまりお勧めできません。隣国のラオスで取得するというのが一番簡単で安上がりのようです。
手続きをすべてやってくれるビザツアーを行っている旅行代理店もバンコクに何社かありますが、狭いバンに10時間座りっぱなしという点がネックです。業者のビザツアーを利用しないで観光ビザを取得してきたという人の体験レポートが寄せられましたので、ご紹介しましょう。
2019年2月1日より、ラオス・ビエンチャンのタイ領事館での観光ビザ取得は、完全予約制となりました。予約のやり方についてはこちらを参照ください。
【2019年2月~】ラオスでのタイ観光ビザ申請が予約制に・取得方法図説
ビザランツアーを使わず個人で行く方法のまとめ
ラオスでタイの観光ビザをビザランツアーを使わないで個人で取ってきましたので、ルートやかかる費用、申請の方法についてまとめます。(2019年6月 加筆情報)
事前準備・観光ビザ取得に必要なもの
ラオスで観光ビザを取得するには以下のものが必要です。
パスポート原本
パスポートの顔写真ページのコピー(白黒OK)
パスポートの最新入国スタンプのページのコピー(白黒OK・ラオス入国後現地でコピーすること)
申請費用 シングルビザ1000バーツ
顔写真2枚(横3センチ×縦4.5センチ) カラー、背景が白であること。
観光ビザ申請用紙
ボールペン
ハサミと糊(写真貼り付け用。領事館にもある。)
順番に説明します。
パスポート原本
パスポート原本、これは当然ですね。コピーや顔写真を用意することに気を取られると意外と忘れたりしますので注意!バンコクから数百キロも離れた国境でパスポートを忘れたことに気づいたら絶望します。
パスポート顔写真ページと最新スタンプページのコピー
白黒でOKです。最新スタンプページというのは、ラオスに入国した際のスタンプのあるページのこと。つまり、これはラオスに入国したあとでないとコピーがとれません。ラオスのタイ領事館内にコピー機がありますので、現地でコピーをとります。
申請費用
観光ビザシングルは1000バーツです。申請したビザが下りた時に支払います。(ダブルは2019年6月現在、ラオスでは取得不可能)
顔写真2枚
写真もラオスのタイ領事館内で撮ることができます。ただし時間節約のため、事前にタイで用意しておくとスムーズです。サイズは、横3センチ×縦4.5センチ。カラー写真であること、背景が白であることが条件です。これはタイの写真スタジオで撮るときは、「背景を白にしてください」と念を押してください。
ちなみに、申請用紙にある写真張り付けスペースはどうみても3センチ×4.5センチではありませんが、正しいサイズは3センチ×4.5センチです。用紙に合わせないで下さい。
観光ビザ申請用紙
ラオスのタイ領事館でもらえます。もしくは代書屋(申請用紙を代行してくれる業者)がくれます。でもお勧めは、事前に自分で用意することです。ラオスのタイ大使館のホームページからダウンロードできます。
特に英語が苦手な人は調べながら書くためにも事前に用意したほうがよいです。
というのは、日本やタイでの住所を書く欄があるのですが、代書屋に頼むと、適当な住所を書かれます。最近では厳しくなっていて適当な住所を書いた場合はビザが不受理になるという情報もありますので、自分で書いたほうがよいです。
バンコクからビエンチャンへの行き方
バンコクからビエンチャンへ行く方法はいろいろあります。主な3つの方法を紹介します。
1、空路・飛行機で行く場合
直行便は、バンコク・ドンムアン空港 ― ラオス・ビエンチャン空港であります。
ただし、本数があまりないのと、事前予約しないと高い(1万バーツ前後)です。このため、急いで行かないといけない+予算を抑えたい場合は、飛行機と陸路移動を組み合わせるという方法があります。
まず、ドンムアン空港から、タイの東北部にあるウドンタニという街へ飛行機で移動します。(つまり国内便。)このルートはたくさんの便があるので、当日でも航空券がとれます。ノックエア(タイのLCC格安航空会社)だと1500バーツほどで1時間で着きます。
そしてそのあと、ウドンタニからビエンチャン行きの国際バスで陸路で国境を越えるのです。
そのルートでの体験談はこちらの記事参照。
2、陸路・長距離バスで行く場合
BTSモーチット駅からタクシーで15分ほどの、バンコク・北バスターミナルから出ているバスを利用します。このターミナルのことをタイ語で「モーチットマイ」と言います。モーチット駅前でタクシーを拾いモーチットマイを目指します。
2019年6月現在、ここからラオスのビエンチャン行き直行便の国際バスは、一日1便出ています。
バンコク・モーチットバスターミナル 20:00発 ~ 国境 翌6:00着 ビエンチャン・バスターミナル7:00頃到着。
注意しないといけないのは、国境到着が翌日になる点です。つまり、滞在期限が切れる当日に乗車するとオーバーステイになります。
バスのチケットは写真のカウンターで買えます。ここで「ビエンチャン」といえば買えます。運賃は900バーツで、購入の際にパスポート提示が求められます。
もし直行便の国際バスを逃したらノンカイ行きのバスを探す
混んでいない時期であれば、直行便は当日、2,3時間前でも買えます。(心配なら前日購入するのも手です。)ところが、今回私は、チケットが売り切れだと言われてしまいました。
その場合は、このような方法があります。
タイ北部にあるチェンカーン(CHIANGKHAN)という町行きのバスがあります。20:30発の、このバスに乗ると、翌朝7:00頃、ラオスとの国境の町ノンカイหนองคายに停車します。ここで下車して国境を越えます。このバスの運賃は658バーツです。
3、鉄道・寝台車で行く
一見大変そうですが、慣れてしまえば一番快適かもしれないのが鉄道で行く方法です。
バンコクを20時に出て、翌朝6時に国境の街ノンカイにつき、そこからバスで国境を越えてラオスのビエンチャンまで行く方法です。
なぜお勧めかというと、横になって寝ながら行けるので体の負担が軽い点です。長距離バスだと10時間狭いイスに座りっぱなしです。
また、飛行機は早朝6時に乗らない限り、ラオスのビエンチャン市街地に到着するのは昼12時を過ぎます。窓口は12時までなので、つまり初日は移動だけになります。ラオスの宿泊日数が合計最低でも3日間必要になるので早い移動手段を使った意味がほとんどないのです。鉄道であれば出発する日の19時前後まではバンコクでの時間が有効活用できます。
しかも飛行機の早朝6時の便というのは、あくまでもタイ国内便(バンコクーウドンタニ)なので、ウドンタニから国境の街ノンカイまでの100㎞(1時間)をバス移動しなくてならないので結局交通手段を乗り継ぎしないといけない点では鉄道と同じです。
鉄道でノンカイまで行く方法はこの記事を参照下さい。
タイの深夜特急!ビザランも便利バンコク~ラオス鉄道旅・寝台車料金
国境の街ノンカイからビエンチャンへ行く方法
飛行機でウドンタニに着きそこからバスで国境に向かう場合、鉄道でノンカイ駅に着いた場合、そして長距離バスでノンカイに着いた場合は、以下の流れになります。
バスの場合ノンカイでの停留所は2か所あります。最初の停留所は国境寄り、次の停留所がノンカイのバスターミナルです。降りるのはどちらでもよいです。
また、鉄道(ノンカイ駅)の場合は、駅から出ると目の前に広場があります。
それぞれともトゥクトゥクがいるので、「ボーダー(国境)」といって連れて行ってもらいます。40バーツです。
国境についたら国境を越えるためのマイクロバスが停まっているのでこれに乗り、まず、タイ側で出国手続きを行い、待っていたバスに乗ってメコン川を越え、ラオス側に入り入国手続きを行います。この国境越えバスは20バーツです。
※国境は徒歩では越えられません。
タイ領事館へのアクセス方法
ラオス側で降りると、ビエンチャンの中心部へ行くバンがいますので、運賃を交渉して乗り込みます。この時点で「タイ・エンバシー・ビザ」と言えば、直接タイ領事館へ連れて行ってくれるので楽です。相場ですが、1人で乗ると200~400バーツと言われ、何人かで乗り合いだと100バーツ~200バーツほどです。最初は吹っ掛けてくるので必ず交渉しましょう。
ラオスでも割高ですがタイバーツは使えますので、ラオス通貨のキープへの両替はビザ申請が終わってからでも問題ありません。また、タラートサオから領事館までのトゥクトゥクは1万キープで乗れたという情報もある一方で5万キープと言ってきたというケースもあり、非常にぼったくりが激しいです。私は、急いでいない帰路は見学がてら歩きました。(徒歩で領事館から中心地のタラートサオまで30分。)
ややこしいのですが、ラオスのビエンチャンにはタイ大使館とタイ領事館の二つがあります。観光ビザの手続きと発券が行われるのはタイ領事館の方です。したがって、トゥクトゥクドライバーが間違って大使館の方に向かわないように「タイ・ビザ」ということを強調しましょう。ただし彼らは慣れているのでたいてい領事館の方に連れて行ってくれます。むしろ自分でスマホや地図をみて移動する場合、間違って大使館の方に行ってしまうことの方を気を付けましょう。タイ王国領事館の地図はこちらです。
ここまでをまとめます。
【直行便ルート】
モーチット → ビエンチャンバスターミナル → タイ領事館
20:00発 翌6:00着 6:30頃
(900B) (トゥクトゥク1~5万キープ)
【乗り継ぎルート】
モーチット → ノンカイ → 国境前 → 国境越え → タイ領事館
20:30発 翌7:00下車 トゥクトゥク マイクロバス ミニバン
(658B) (40B) (40B) (200B)
ラオスのタイ領事館での申請方法
ラオスのビエンチャン・タイ領事館でのビザ発給は申請日と翌日の発行日の2日間に渡って行われます。
申請受付は、平日(月~金)8:00から11:30迄。(開門7:30頃)
発行は、平日(月~金)13:30から15:30迄。
冒頭にお伝えしたように2019年2月より予約制になりましたので、必ずウェブで予約をしてください。申請をした日の翌営業日でないと発行されません。同じ日の午後は無理ですし、逆に翌々営業日以降だと破棄されてしまいますので注意してください。また、領事館が休みの場合があります。例えば金曜日に申請をすると、土日は休みですので、翌週月曜日の発行となり、無駄に2日間待機していないといけません。 タイ領事館はタイ・ラオス両国の祝日でも休館となります。事前にこちらで開館日を確認しておくとよいでしょう。
ラオス・ビエンチャン・タイ王国領事館ホームページ 営業日カレンダーhttp://vientiane.thaiembassy.org/en/embassy/calendar.php
領事館に向かって左側と右側の路上や掘っ建て小屋に、代書屋がいます。
この代書屋に頼めば、申請書類、コピー、写真の撮影などすべて代行してくれます。私は、写真は事前に撮影したものを持って行ったので、費用は150バーツ、と言われました。ところが、最初に受付をした人にはそう言われたのですが、席を移って実際に代書をしてくれた担当の人には100バーツと言われました。ぼったくりをするにも適当な連係プレーです…。
写真や書類がそろっていて代書屋を使わない場合は、コピーだけとればよいのですが、その場合、領事館の門から入って左側の建物内にコピー機があります。
<代書屋を利用すべきか?>
代書屋の書く住所は適当なので自分で書き足そう
私は事前にタイ領事館のサイトから、申請書類をダウンロードして自分で記載しました。代書屋にも一応頼み、自作のものと比べましたが、大差はありませんでした。代書屋作成のものだと、タイや日本の住所記載欄を適当に書かれます。(住所欄に「JAPAN」としか書いていないなど。)そのかわり、自分で書く際には無記入にしていた、「タイでの保証人」欄、「ラオスでの保証人」欄についてはなにやら書き込んでくれたので、私がとった方法は、「両者合作」でした。
代書屋の書いた書類をベースにして、住所などは自分で書き足したのです。実際に、書類提出の際に領事館の係員に「これは本当の住所ですよね?」と確認をされました。この辺は厳しくなっているので、代書屋に書かせた場合も自分で住所は加筆した方がよいでしょう。
結論として、代書屋は利用しなくても8割方大丈夫そう、というのが印象ですが、万が一、書類不備で申請が却下されたら面倒なので、このように安全策をとりました。この辺の判断は読者のみなさんにお任せします。
代書屋が売りつける「若い番号の整理券」は無意味!
申請は、書類を提出した早い者順で整理券を受け取り、翌日この順番でビザの発券をうけるのですが、代書屋が「今日は申請に来ている人が多いから、(時間オーバーで)明日受けとれない可能性があるよ。」といって、若い番号の整理券の販売をもちかけてきます。なんと3000バーツです。でも今回、202番目とかなり後ろの方でしたが、翌日、1時間待ってちゃんとビザを受領できました。はっきりいって、脅しだと思います。
翌日どうしても、開館と同時に受け取りたいという場合でなければ、このような“ズル”をする必要はないと感じました。
観光ビザ申請の流れ
書類がそろったら、領事館の中に入ります。受付は8:00からですが、開門は7:30頃です。
領事館の中庭にベンチがあり、早いもの順で、つめていきます。
これからはひたすら待つだけです。中庭に屋台のコーヒーショップが出ているので、あらかじめ買ってから並んでもよいでしょう。建物内にトイレもあります。場所を離れる時は前後の人に了承を得て行かないと、並び直しになるかもしれないので気を付けてください。
自分の番になったら、書類を提出します。書き漏れがなければなにか難しい質問をされるということはなく、すぐに終わります。
代書屋を使わないのであれば、2枚の写真の切り取りと糊での貼り付けは自分でやらないといけません。ノリ・ハサミは中庭のカウンターにありますが、列を離れないとそちらまで行けないので、スティック糊とハサミをもっていると便利でしょう。申請が終わるとパスポートと書類は預けて、代わりにこのような預かり証をもらえます。
パスポートがないとホテルにも泊まれないかも、と不安になりましたが、特にホテルではパスポート提示は求められませんでした。もし求められてもこの預かり証を見せましょう。
これで、翌日の13:30まで待機です。
タラートサオ(市場)でおみやげショッピングをしたり、パトゥーサイという凱旋門や、カイソーン博物館(建国の父の記念館)などを観光するのも面白いでしょう。タイ領事館から500~600m程の距離の所に「ラオ・ゴールデンホテル」や「ラオンダオホテル・1」があります。それぞれ25万キープもしくは1000バーツほどで泊まれます。チェックインは12時以降です。
観光ビザ 受領の流れ
翌営業日の13:30~15:30がビザの受領時間です。
昨日と同じように領事館の中庭のベンチで待機します。整理番号順にアナウンスが入り、カウンターの電光掲示板に番号がでるので、自分の番になるまでひたすら待機です。本など持っていくとよいでしょう。私は202番の整理番号でしたが、1時間ほどで番号を呼ばれました。観光ビザ・シングルの料金1000バーツを支払うと、無事、パスポートに観光ビザが貼られて返却されました。
おまけ 帰路の格安ルート
帰りは格安ルートで帰る方法があります。ビエンチャンのタラートサオの隣にあるバスターミナルに行き、7:30発のタイ・ノンカイ行きの国際バスに乗ります。乗車30分前でもチケットが買え、15000キープ(約65バーツ程)です。
このバスで、国境を越え、タイの入国審査カード(白くて青いマスの細長いカード)を記入して入国審査を受け、ノンカイまで行きます。この間、ゲートにつくたびに降りて審査を受けますが、バスは全員が揃うまで待っています。
1時間ほどでノンカイのバスターミナルについたら、バンコク行のバスを探してください。
バンコク行のバスは
1日8便、5:50、7:00、8:40、11:30、13:30、14:30、16:30、18:00発のものがあります。
ノンカイからバンコクまでの所要時間は、約11時間です。
バスはなんと380バーツでした。混んでいないので一人で二つの座席を使用でき、クーラーも完備でまったく問題がありませんでした。
つまり、帰路はビエンチャンからバンコクまで合計445バーツで移動できたことになります。直行の夜行バスは復路は1100バーツなので半額以下です。夜行バスを使って寝ながら移動する方が効率的かもしれません。でもそれだと翌日疲労して結局時間を無駄にすることを考えたら、昼間の明るい時間にウドンタニやコラートなどの街を見学がてら、読書などをしてゆっくりバンコクを目指すのも、よいかなと感じました。
長距離夜行バスで配られる水は危険!?
あと、余談ですが、夜行バスに乗るとお菓子と水が配られますが、個人的な感想ですが、この水は怪しいです。私は普段はタイでもラオスでも、その辺の屋台で食事をしたり穴あき氷入りの水を呑んでも、まったく問題はないのですが、この水を飲んだ時だけ必ずお腹を壊しました。今回で3回目なので、おそらく間違いないです。コンビニやスーパーでみかけないメーカーのものであることも怪しいです。参考までに画像を。
以上が、「ラオスでタイ観光ビザをビザランツアーを使わず個人でとる方法と費用」についての体験談レポートとなります。
ビザランツアーのスケジュールが合わなかった人や、バンコク以外の地方から直接ラオスへ向かうという場合などの参考にしてください。