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タイで店舗居抜き物件を借りる上で知っておくべき大家の気質

タイで店舗居抜き物件を借りる上で知っておくべき大家の気質

タイ・バンコクで飲食店や雑貨店、オフィスなどを借りる際、知っておいた方が良い情報について、取り上げています。前回は、タイの不動産業者事情について、習慣やタイと日本の不動産屋とは異なる部分についてみてみましたが、今回は、タイの大家さんとどうつきあい、どう物件を選ぶべきか、という視点でみてみることにしましょう。

日本人向けの店舗が多く入っているビルの物件や日本人の店子が実際にすでに入っている物件だと、ある程度相場も安定しており、情報も入りやすいのですが、あまり外国人の借主が入っていない物件だと、大家が外国人向けの設定家賃を提示してくる場合もあり、ローカル物件(タイ人が経営していた店舗の物件など)と極端なひらきがないか、についてもリサーチする必要があります。

そもそも、家賃設定もあってないようなところがあります。「外国人料金」といって相手によって家賃を変えてくることもそうなのですが、すでに入っている借主に対して、平気で家賃の値上げをすることが多いという点が、タイの不動産オーナーの特質を表している部分だと思います。

たとえば、あなたが料理店を始めるために店舗物件を家賃15万バーツで借りたとします。1年契約のなかで、必死に店舗運営を行い、少しずつお客さんも増えていき黒字化してきたとします。その様子を見ていた大家は、1年後の契約更新の際、「来月からは家賃18万バーツで貸すよ。」と言い出してくる、というパターンです。 こちらが、店舗の看板や内装、備品に設備投資を行い、店舗自体にも常連客がついてきているので、店舗を畳んだり移転したりするのは考えにくいという状況の足元を見た商売です。

実際、シーロムのタニヤでも20年近くも続いた老舗の日本料理店が一気にテナント料の値上げを求められたため移転をせざるを得なくなった、ということがありました。 すべての大家がそうではないですが、「長い目でみて信頼関係のなかで安定して継続収入を得る。」というより「商機をつかんだら強気で攻める。」というビジネス観の違いもあるのではないでしょうか。

< 大家が屋台にも場所を貸しているケース >

また、これも日本ではない、タイ特有の習慣ですが、”屋台のショバ代”についても知っておいた方がよいでしょう。 バンコクでは道のいたるところに食べ物屋の屋台が出ています。 これらは、公道の場合は警察に場所代を払って営業しているのですが、建物の前の場合は、その建物のオーナーに場所代を払っているケースが多いです。これは「多い」というだけで、地元の力のある人物だったり、近隣の人物だったりと「路上の大家」はいろいろなパターンがあるようなのですが、この辺も把握しておかないとややこしいことになります。

建物の前に並ぶ屋台
自分が借りた建物の前が屋台で埋まる可能性もある。

たとえば、飲食店を開くため物件を入手したのに、オープンすると店の目の前に激安屋台が出ていて、邪魔なので移動するように言ったとしても、「場所代を払っているから、撤去しない!」と100%拒否されます。大家に言っても「これはあんたとは関係ない話だ。」と聞く耳はもちません。

こうした屋台の出現は時間帯や曜日によって変わるので、物件下見の時は気づかなかった、というケースもあり得ます。店舗物件の入っている雑居ビルの大家が、店の前の屋台にも場所を貸していないか、ということにも目を向けて情報を集め、場合によっては交渉の必要があるのです。 自分の借りる店舗の近くの屋台の「大家」が他の建物のオーナーである場合は文句の言いようもありません。

マッサージの店を開いて店内にアロマのほのかな香りを巡らせようとしたら、夜になると表の屋台がタイ式焼き鳥を焼きだして、煙がもうもうと漂ってきた、というギャグマンガのような話も聞いたことがあります。 大家や周囲の状況は入念にリサーチが必要です。    

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