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タイのプミポン国王陛下が10月13日に亡くなられてから1か月以上が経過しました。これから年末年始の長期休暇・冬休みシーズンに向かうこともあり、日本からタイへの渡航を検討している人は、情報収集をしているかと思われます。ビジネスへの規制はあるのか、観光地の状況は?あるいは繁華街の夜遊びは可能なのかなどといった、現在の現地の状況について、レポートいたします。
タイ政府の服喪期間についての発表は
タイ政府の公式見解はどうなっているのでしょうか。まず、10月13日の国王陛下の崩御発表のあと行われた、タイ首相府からの発表は、「全ての公的な場所、国営企業、政府関係機関及び教育機関は、10月14日より30日間半旗を掲揚する。」「全ての公務員及び国営企業従業員、政府機関職員は、10月14日より1年間喪に服す。」というものでした。
概要としては、民間は30日間、公的機関は1年間の服喪、ということになりました。
その民間における30日間の服喪期間が経過した現在は、13日のタイ軍事政権の発表によると、11月14日以降、「ロイクラトン(灯ろう流し)祭りなど全国規模の祭事、地方レベルの祭事、イベント、ナイトクラブ、パブ、バーといった娯楽施設、ホテルでのパーティー、セミナーなど、コンサート、スポーツ大会など」の再開が認められるとしています。公的機関のタイ国旗の半旗も14日より通常に戻されるとのことです。
観光地などの状況・観光庁このタイミングで公開した動画とは
1か月の服喪期間内には、街なかで弔意を示す黒い服ではなく派手な色の格好をしている人が周囲の人に注意をされたり時には口論などが起きたりするといったことが報道で話題となりました。(いずれもタイ人同士。)また、10月31日にはバンコク郊外のゴルフ場で、ゴルフコンペの打ち上げをしていた20人ほどの日本人が、あまりに騒ぎ過ぎたのか不謹慎さを見るに見かねて地元の人に通報され、駆け付けた軍に厳重注意をされた、という事案が発生しています。
ただし、その一方で、ゴルフ場や飲み屋自体は営業しているわけですから、「静かにするなど一定の配慮さえしていれば娯楽を一切するな」というわけではないということが読み取れます。
そうしたなか、タイ国政府観光庁が、これまで白黒のモノトーン表示だったオフィシャルサイトを通常のカラーに11月14日から戻すとともに、17日にはこのような動画(英語版)をリンクしました。
https://www.youtube.com/watch?v=B2YbbxkwETY&feature=youtu.be
内容は、バンコクの現在の王宮やワットポー、チャトチャックウイークエンドマーケットなどの様子と、外国人観光客へのインタビューです。内容はタイの観光の魅力などへの質問に対する回答などです。映像の中にも黒い服を着た人の姿が目立ちますが(撮影は11月11日)、ものものしい警備の雰囲気はなく、欧米やアジア各国などの観光客たちも観光を楽しんでいる様子で受け答えをしている映像です。
こうした映像を公式サイトでリンクしていることからも、タイの政府としては、観光客に一定の配慮さえ行っていれば通常通り観光をしてもらって大丈夫だというシグナルを出しているものと思われます。
1か月の服喪期間明けの夜遊び繁華街の様子は
それではオフィシャルなニュースやサイトではなかなか触れられない夜遊びの繁華街などはどうでしょうか。
アソークのソイカウボーイのバービアなどでは看板のネオンは点灯しており、女性は黒い衣装の人が大半ですが、大勢通りに出て客引きを14日のナナプラザではロイクラトンイベントで伝統衣装姿のダンサーが路上で舞踊を披露していました。
シーロムエリアでも、日本人街のタニヤのカラオケ店は営業時間が1時間早く午前0時までとなっていましたが、14日より午前1時までの営業時間に戻す店が多くありました。
パッポン通りのゴーゴーバーも大音量での音楽こそまだ自粛していますが、客引きや訪れる観光客のにぎわいも通常通りに戻りつつある印象です。
ゲイの飲み屋が多いスラウォン通りのソイ・トワイライトやシーロムソイ4などもネオン看板の派手さは通常どおりに戻ってきています。深夜1時まで大勢の欧米系観光客がネオン街の路地を行き来しています。
シーロム通りから一本入った中国人カラオケ(KTV)「姑娘」などは深夜2時ころまで近隣に響き渡る大音量でのカラオケを復活させているようです。
ビジネス街やショッピングモールの様子
さいごに日中の街の様子をお伝えしましょう。
この写真のように、ショッピングモールなどでは、黒い服装の人がまだ多いですが、暗めの色の服装であれば、カジュアルな格好の人も出てきています。われわれ外国人は、白や黒、グレーのシャツなどを着用して国民感情に配慮した方が良いですが、夜遊び繁華街の様子をみても、最低限の配慮をしていれば問題なく観光などをすることはできる、といった状況であるといえます。
タイ国王服喪期間1か月経過・バンコク観光地や夜遊び歓楽街等の様子でした。