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外国人の間でも知名度が高いバンコクの繁華街の代表格といえば、パッポン通りです。
夜は、広い通りいっぱいに夜店が立ち並び、通りに面したゴーゴーバーからはダンスミュージックが大音量で流れて、水着スタイルの艶めかしいゴーゴーガールたちがステージで踊る様子が、薄暗い店内の中を光る回転灯のネオンに照らされて浮かび上がるのが通りからも見えます。そうしたなかを夜遊びの観光客がそぞろ歩き、バーなどの飲み屋や露店の客引きが声をかけ続け、値引き交渉の声が響きます。
しかし、パッポン通りの、おもしろスポットはゴーゴーバーだけではありません。屋台や飲食店にもディープな個性があります。初心者でもわかる店、人気の観光スポットや、どんな店があるのかみてみましょう。
1 初心者でもわかる、パッポン通りとは
1.1 パッポン通りのアクセス・行き方
パッポン通りは、バンコクのオフィス街であるシーロムエリアにあります。シーロム通りとスラウォン通りとを南北に結ぶストリートのことで、カラオケ店などのパブが並ぶ日本人街として名高いタニヤ通りと200m程離れて並行している通りです。パッポン通りのすぐ隣の路地はパッポン通り2と呼ばれています。
BTS(バンコク高架鉄道)サラデーン駅や、MRT(地下鉄)シーロム駅からも徒歩5分ほどでアクセスできる立地です。
1.2 パッポン通りの歴史 ~ 昔(1960年代)と現在(2010年代)の比較写真~
そもそも「パッポン」という響きは、なんだか楽しげですが、どういう意味なのでしょうか。
実は、第二次大戦後に、ウドム・パッポンさんという人が開発した通りなので、パッポン通りと呼ばれるようになったのです。つまり由来は人の名前なのですね。歴史については詳しくは「パッポン通りを作ったのはパッポンさんと米軍」という記事にまとめましたのでそちらもご覧ください。
このパッポン通りが栄えだしたのは、1960年代です。ベトナム戦争のアメリカ兵が休暇で訪れる歓楽街として発展しました。写真は、上が1960年代のパッポン通り、下が現在(2016年)の同じ場所の様子です。
右側にあるのが有名な「ミズキッチン」です。こうしてみると、パッポン通りの建物自体は、ほとんど変わっていません。逆にいえば、BTSもない50年前の時代から、今と同じ規模かそれ以上に栄えていた街だということがわかります。
2 パッポン 便利・おもしろ屋台情報
2.1 主な屋台の様子と営業時間
パッポン通りは長さ200m程の通りです。夜になると「パッポン・ナイトバザール」と呼ばれる露店で埋め尽くされます。営業時間は18:00~翌1:00です。
鉄パイプで組まれた簡易屋台には、雨の日はビニールシートの屋根がついて隣や向かいの出店とつながるので、通り全体が屋台でできたアーケード商店街みたいになります。雨季などで雨が続く日も、店は営業をしていて、観光客も濡れないで通りを歩くことができます。
2016年現在、確認できる主な店は、腕時計、カバン・バッグ、Tシャツ、財布、アクセサリー、貴金属、サングラス、サンダル、映画DVD、電子タバコのカートリッジ、タイの伝統的な象やブッダの絵やタペストリー、アイフォンケースなどのショップです。このほかでは、路上ネイルショップ、しぼりたて果汁がおいしい天然フルーツジュース屋などもあります。
売り子と値段交渉をして値引きをしてもらうことができます。旅の記念になるグッズを手に入れてはいかがでしょうか。
2.2 早朝のパッポン通りもおもしろい
パッポン通りの夜店が深夜12時に閉まったあとは、あわただしく夜店のテントの解体が始まります。一部の深夜レストランやゴーゴーバーなどだけしか開いていない状態になります。でもパッポンは早朝からまた始動し始めます。夜店が片づけられた後のなにもない通りに朝の5時ころから、屋台がならびます。夜店とちがって観光用ではなく地元民向けの、朝ごはんを売る屋台です。テイクアウトのコーヒー・紅茶屋、からあげを売る店、弁当屋などが並びます。食べ物以外でも、Tシャツやスカートなどの洋服店、スマートフォンケースなどを売る雑貨屋も並んでいますので、早起きしたら覗いてみてはいかがでしょうか。この屋台は早朝限定なので8時くらいには撤収を始めます。
3 パッポン 便利・おもしろ店舗情報
パッポン通りには、夜しか出ていない屋台だけでなく、常設の店舗も店を構えています。ゴーゴーバー以外にもおいしいご飯屋さんなどが出ていますので、情報を紹介しましょう。
3.1 レトロな日本洋食レストラン・ミズキッチン
日本人オーナーが1957年に創立した老舗中の老舗の洋食レストランで、ステーキなどが名物です。パッポン通りのスラウォン通り側(BTSサラデーン駅の反対側)にあり、そちら側から入った場合はパッポン通りの右側にあります。
このように、看板には日本語が書いてあるのでわかります。
とてもレトロな内装で、昔懐かしい洋食屋さんという雰囲気です。
観光客の人は、「せっかくタイに旅行にきたんだから日本料理じゃなくてタイにしかない物を見たい…」と思う人もいるかもしれませんが、お店の雰囲気は、薄暗い店内にアンティークなポスターや柱時計がかかり、昭和の喫茶店という感じで、今の日本では絶滅危惧種みたいな店構えなので、一見の価値はあります。
料理もおいしいです。
名物は、「サバステーキ」と「サリカステーキ」です。現在タイでは焼きサバは、いろいろな店で出されています。元はタイで食べられていた魚料理ではなく、この「ミズキッチン」がタイでのサバ料理の発祥の店なのです。このためタイ語でも鯖のことを「サバー」といいます。
その伝統のサバステーキを頼みました。ライスをつけてもらい、料金は209バーツです。
大根おろしと紅ショウガ、スダチがつきます。ステーキ鉄板の上に載って熱々の状態で出てきます。
ちょっと盛り付けはアレですが、うっすら塩味が染みていて、なかなか美味しかったです。
そして、こちらがサリカステーキ。ランチセットとして頼むと220バーツで、ステーキ、スープ、パンのセットで出てきます。
パンはなかなか香ばしいです。シチューにはキノコも入り、濃厚でクリーミーさを感じさせるように、しっかり作ってあります。
ステーキハウスの肉厚ステーキには負けますが、ナイフいち往復で簡単に切れるようなやわらかい赤身肉のレア。マッシュポテトや茹で人参、ほうれん草ソテーもゴテゴテに甘い味付けではなく、とても控えめなあっさり風味です。
スタッフはタイ人のおばちゃんがいます。日本語は片言は通じます。日本語のメニュ-もあるので、タイ語がまったくわからなくてもオーダーに問題はありません。店内には猫が10匹ほどいて子猫が走り回っており、プギャーとじゃれあったりしていてちょっとしたネコカフェ状態になっていてカオスです。
残念なことに、80歳を超える創設者の日本人オーナーさんは病気で静養中のため、店はタイ人スタッフに任せているとのこと。回復を祈ります。
60年代のベトナム戦争の時代は、世界中から集まってきたジャーナリストたちのたまり場だったとか。パッポン通りの歴史とともに歩んできた「博物館」のような店は、一見の価値があります。
3.2 タイ料理やイタリアンなど多国籍料理のTIP TOP
パッポン通りの真ん中くらいの位置には、多国籍レストランの「TIP TOP」があります。ここは、イタリアンやタイ料理などいろいろな種類の料理があるので、何人かの味の好みが違っていても大丈夫です。
タイ料理は、普通の道に出ている屋台が日常食だとすると、ちょっとよいタイ料理ということになります。
スパゲッティアラビア―タで160バーツ、サーモンパスタで230バーツ、マルゲリータピザ175バーツです。
これは「カオパットサパロ」という料理です。
くりぬいたパイナップルを器にして、エビや鶏肉の入ったチャーハンが盛り付けられています。チャーハンにパインの甘い汁がほのかに混ざって、南国リゾート感が満載です。
こちらは「イェンタフォ モーファイ」。鍋にイカや魚肉団子が入っています。三角のものは揚げたワンタンのようなものです。
どちらも、日本ではみかけない珍しいスタイルの料理ですので、フェイスブックなどに写真をアップしたら注目される、というおすすめ撮影スポットではないでしょうか。
3.3 24時間営業のスーパー「フードランド」
パッポン通りと並行しているパッポン2の真ん中あたりに、バンコクでチェーン展開しているスーパーマーケットの「FOODLAND」があります。ここは24時間営業ですので深夜にコンビニにはおいていないものを買いたい時にはとても便利です。
品揃えとしては、肉や野菜、果物、米などの食材、牛乳やバター、ジュース、ミネラルウオーター、冷凍食品もあります。食品以外でも歯磨き粉やボディーソープ・シャンプー・整髪料、洗剤などのアメニティ用品、防虫スプレーやタオルやサンダル、ノートやペンなどの文房具など、旅行者にとっても役立つ雑貨もひととおりそろっています。
もちろん地元タイ人が利用する市場などで買った方が安いものもありますが、値札が貼ってあるので値段交渉やぼったくりのない買い物をのんびりできるというのは便利です。料理をするための食材や、日本食などはやはりタイに多くある「フジスーパー」、弁当などは「マックスバリュー」が豊富ですが、このパッポン・シーロムエリアの近くではここにしかスーパーマーケットがないので、貴重な店です。
バンコクエリア・タノン・ソイ別★便利情報や観光マップ・名物店情報
以上、パッポン通り夜店や観光おもしろスポット・便利店舗情報まとめ一覧でした。随時、あたらしい情報を更新していきます。「このような店があった」「ここを取材してください。」という情報がありましたら、投稿頂けますようお願いいたします。