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タイ王国・バンコクでヘアサロンを開業したり買収したいという人はどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。海外で美容師として独立したりになったり、サロンを経営するということを考えても、なかなか情報がわからないものだと思います。そうした、ヘアサロン開業を検討する前に、おおまかな情報について、みてみましょう。
タイの美容師はどのような修行をしているのか?
まず、あなたの競合相手になったり、あるいは従業員として求人して雇用するだろう、地元、タイの美容師はどういった人たちなのでしょうか。
まず、タイには、理容師・美容師の免許制度はありません。
このためタイで美容師になる方法には、大きく分けて2種類のなり方があります。
まずは、弟子入りです。美容師に弟子入りして、ただ働きで修業し、1年ほど修行して実客をつけてもらい、その店の中で徐々に経験を積んでいき一本立ちを目指すのだそうです。
もう一つのルートは学校で技術を学ぶという方法です。タイの美容師学校は私立と公立の二種類があります。公立は職業訓練学校であり、1~2年で卒業できます。私立の美容学校の場合は6か月程度の短期間で技能を取得でき、内容も日本での技術にちかいかなりのハイレベルな内容なのだそうです。
しかし、学校を出ているか出ていないかは、開業には関係はありません。あくまでも許認可制ではないのです。
タイで日本人が美容師として働くことはできない?!
このように、タイ王国の美容業界には、免許制度がありません。このため独立開業のハードルはとても低いようにみえます。しかし、外国人である日本人の場合には、このような問題があるのです。
タイでは、国民の労働者を守るため、法律上、外国人が就業できる業種・職種を制限しています。しかし、外国の先端技術を広めたりタイ人の雇用を生んだりするような、タイ国に貢献できる場合は例外として認可され、労働許可証が発行されます。
美容業界の場合はどうでしょうか。われわれ外国人は、経営者かタイ人美容師へ技術指導をする立場であれば、タイのヘアサロンで働くことが許されます。逆に言えば、外国人が、いち美容師として接客はしてはいけないのです。
でも 実際問題として、日本人美容師が接客しているサロンはバンコクに多くあります。これはどうしてでしょうか?
バンコククラブでも独立手続きをお手伝いした方で、実際に店頭に立っているヘアメイクさんは何人もいます。
これは、タイ人美容師に対する技術実習の一環として行っている、という建前でかいくぐっているのです。あくまでも、営業ではなく、接客の見本として見学させているという形です。
独立・開業の足を引っ張る存在とは?
しかし、ここに落とし穴があります。近年、タイの軍事政権は過去の政権の汚職摘発を進めています。それ自体は直接的な脅威ではありません。いち美容室のサロン内までは、取り締まりを徹底するのは現実的ではないからです。
でも、実際に摘発をされ、営業停止命令を出されてしまった日本人経営のサロンも少なくありません。
その原因は、「密告」です。地元タイ人同業者や場合によっては同じ日本人の同業者が、警察当局に「あそこは法律で禁じられている、外国人の接客がある。」と告げ口をするのです。
しっかりと開業の際に必要情報を入手しなかったり、業界内にコネクションがあるサポートを受けられないで開業をした場合だと、このようなトラブルが起きかねません。
もちろん、情報を集め、コネクションのあるなんらかの人脈をもっているか、そうしたコネクションのあるサポートを受けていれば、こうしたことがあってもかわすことができます。良くも悪くも、タイはコネクション社会だからです。
開業の際は、そうしたことにも気を配って情報収集を行ったり、サポート組織を探さないといけません。