タイで居抜き店舗やオフィス物件などの空きテナントを探す際に、必要な情報や、注意をしたほうがよい点などをとりあげています。 飲食店や小売店の店舗テナントやオフィス物件を探したことのある人たちに、賃貸契約後に発覚した、盲点のジャンルの問題点について教えてもらいました。今回は、居抜きで入手したメリットがなくなってしまったという問題点についての話題です。
物件内見のときにはあった備品が無くなっていたケース。
バンコク内で居抜きでカラオケ店を買収したA氏は、「廃業する元のオーナー(日本人)からは店内にある備品もそのままそっくり譲ると言われていました。」と語ります。
元の店としての営業が終了し鍵の引き渡しを受けた時点では、店内に問題はなかったそうです。ところが、その10日後、店内を改装するため内装業者と物件の中に入ったA氏は驚きました。
「店内が荒れているんです。カラオケのスピーカーが天井から取り外されていましたし、アンプのコードを無理やり壁から引きちぎったせいか壁にも穴があいていました。」(A氏)
一人だけタイ人ボーイが見つかったので訊くと「前の店の時代のママ(タイ人)たちが金目の物をみんなで分けようと言って合鍵を使って運び出した。」という盗難があったことが発覚しました。
「前のオーナーも、本当かどうか知りませんがママたちには連絡がつかなくなっていると言っていました。」(A氏)
泥棒行為は徹底しており、トイレの洗面台の鏡、カラオケルーム内のソファの角に据え付けてあったテーブル台の石板やタイルまではがされて持っていかれていたそうです。
居抜き店舗の買収の際は前のスタッフがこのような略奪行為をすることもあるそうです。
備品も込みで物件を手に入れたつもりでもこのようなことが起こると備品の買い直しで高くつくことになります。また、A氏の体験談にあるように、壁をこわすなどの破壊行為も同時に行われていることが多いので修復代が余計にかかることも計算違いの支出になります。
このため、居抜き店を入手する際は、すべての鍵や合鍵の回収、前のオーナーとの確認、などを徹底しないとこのようなことも起こってしまうので注意が必要です。
バンコククラブで斡旋したケースですと、こうしたことを防ぐために、前のオーナーと引き渡し管理の取り決めを行ったり、前の店舗時代のスタッフの一部を意図的に雇用し続ける契約を結ぶことで、そうした狼藉行為を防止するという対策をうっていますが、場合によっては前のオーナーがこのような略奪に目をつぶっているケースもあります。売主の人物・信用についてもしっかり情報をとれる人物を間に入れて物件の紹介を受けることが得策でしょう。