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タイのコロナ規制の歴史まとめ・規制緩和やナイト店の解禁時期を分析

タイのコロナ規制の歴史まとめ・規制緩和やナイト店の解禁時期を分析

目次

タイ政府は現在、新型コロナウィルスの感染防止対策として、パブ・カラオケ、バーなどの夜遊び系ナイト娯楽産業の店舗の営業を停止する措置を行っています。年末年始の解禁が期待されていましたが、2021年11月12日の会議で、営業停止措置を少なくとも2022年の1月16日までは解除しないということが決定されました。理由としては、は年末年始に新型コロナ感染拡大が起きる恐れがあるためとのことです。
当初は2021年の12月から、ナイト娯楽産業の解禁に踏み切るのではとみられていましたが、タイ政府の方針が想像以上に慎重であることが明らかになった形になりました。
これから規制と緩和がどうなるのか、特に夜の繁華街の状況に焦点をあてて考察するために、タイのコロナ規制の歴史を振りかえり、タイ当局の方針を分析してみたいと思います。


タイのコロナ規制の過去の経緯

予測をするためにまず、タイで初めての感染者が見つかった2020年1月から、2021年の年末までの大まかな規制と緩和の流れや、感染者数を改めて確認してみましょう。

<タイのコロナの規制の歴史と感染者数の概況> (規制内容はバンコクの場合)

2019年12月8日 中国・武漢市で新型コロナウィルス感染者が発見される。1月には都市封鎖へ。

2020年1月 タイで初めての感染者(中国人観光客)。31日には初のタイ人感染者
2020年3月末 ロックダウン開始【第1波】 ※1日あたり新規感染者数100人台
2020年4月  夜間外出禁止開始・タイ正月(ソンクラーン)中止
2020年5月  感染者減少に転じたためショッピングモール等再開・店内飲食解禁
2020年6月  外国人の入国規制緩和、学校再開、15日に夜間外出禁止の解除、飲食店のアルコール提供解禁
2020年7月1日  ナイト関連の店舗営業再開 ※1日あたり新規感染者数一桁か0。
2020年8月末 プーケットで14日間隔離条件で観光客受入(サンドボックス)
2020年12月中旬 サムットサコーン県の水産市場でクラスター発生

2021年1月2日 ナイト関連店舗の営業禁止【第2波】 ※1日あたりの新規感染者数200~700人台
2021年1月22日 制限緩和。マッサージ店、美容室など再開
2021年3月1日 ナイト関連の店舗の営業再開 ※1日あたりの新規感染者数80人台
2021年4月上旬 トンローエリアでクラスター感染発生。【第3波】夜間外出禁止令開始。※1日あたりの新規感染者数1000人台~2000人台と増加。
2021年6月7日 一般人のワクチン接種開始
2021年7月上旬 感染者数が1万人を超す。
2021年8月中旬 感染者数が2万人台となりピークに。
2021年9月1日 飲食店の店内飲食再開。  ※1日あたりの新規感染者数15000人前後
2021年10月  パタヤやスクンビット、ソイカウボーイなどで規則に反して営業した店舗の摘発多発。
2021年11月1日 夜間外出制限の解除、飲食店のアルコール飲料解禁(午後九時まで)、訪タイ者の隔離期間なしでの入国解禁 ※1日あたりの新規感染者数8000人台
2022年1月16日 少なくともこの日までナイト関連店舗の休業を延長

※ 赤文字は規制・青文字は緩和。 

以上が大まかな流れです。


タイ政府のコロナ対策への方針の傾向とは

上記のこれまでの経緯の流れをまとめると
・規制緩和と、感染者拡大&再規制強化を繰り返している。
・一般業種の規制緩和とナイト関連業種の緩和には、2か月前後のタイムラグがある。
・営業を再開しても夜間の制限がある時期が多い。
・年末年始は規制緩和をしたが結果、2回とも直後に感染者増加し規制強化している。
という傾向があることがわかります。

このことから、年末年始の観光ハイシーズンは、可能な限り規制を緩和して外貨獲得をねらいたいが、しかしその結果は2回とも感染拡大に繋がってしまった、という“教訓”をタイ当局が感じているだろうこともわかります。今回の2021年年末年始の、“観光客は受け入れるがナイト店舗は休業”という政策は、そのジレンマのギリギリの判断だったといえます。
コロナの治療薬ができて流通するまでは、感染者数をにらみながら規制緩和と強化を繰り返していくというのが、今後も続くのではないでしょうか。


タイ当局が規制緩和の目標にするのは2月と5月か

ここからは、やや深読みになりますが、
・タイ当局は、過去2回の4月のソンクラーン期には必ず規制強化をしている。
・2月と5~6月は規制緩和する傾向があった(2021年の5月は第三波中だったため例外)

という現象に目を向けてみましょう。
これは何を意味するかというと、2月は中国の春節による中国人観光客の増加、そして5月にある連休による観光客の増加、をタイ当局が意識している可能性が高いということです。
ちなみに5月は日本のゴールデンウィークだけではなく、ドイツなどのヨーロッパ諸国では聖霊降臨祭などのキリスト教関連の祝日があり、韓国でも祝日があり、アメリカは6月上旬から夏休みが始まるので大学生やファミリーの旅行が増える時期です。普通に考えても北半球では春から初夏にあたり行動しやすい季節ですから、旅行が増えるのは当然です。

逆に言えば、2月と5-6月の観光の“書き入れどき”にタイ国内に感染者が多い状態だと観光客は来なくなってしまい、それは絶対に避けたいはずで、そのためにはそれ以外のシーズンやソンクラーンは規制を強化して“捨て試合”にしてでもハイシーズンの外貨獲得を守りたい、と考えているのがタイ当局のコロナ下での観光戦略であると読み取ることが自然です。

今回、2022年の1月16日までのナイト関連店舗の休業延長は、必ずしもそれ以降の再開を断定するものではないですが、目標を2月の春節・そして5月の観光シーズンに合わせている可能性が高いかもしれません。
そう考えれば、ナイト業種の解禁・復活は2022年の2月、感染者数が年末年始で増えた場合は、5月頃、という予測ができます。
これはあくまでも推測ですが、観光業とその周辺産業をあわせるとGDPの20%を占めるという観光大国のタイは、観光客の動向を意識して経済政策を検討する習慣があることは十分考えられます。また、ファミリー層もいるので全ての観光客がナイト娯楽の店や飲酒業界に外貨を落とすわけではありません。感染者が増えて一般観光客も来なくなってしまったら元も子もないので、緩和と規制を繰り返しながら慎重に進めていこうとタイ当局が考えていることも、自然な発想だと思われます。

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